金融機関の電話営業について(証券、銀行)

電話営業という底辺のお仕事

3年ほど従事していました。

金融商品(株、投信など)の営業です。

自分でもよくあれだけやっていたなと思いますが、今やっててこれ見ている人がいたらその場で転職サイトに登録をお勧めします。時間は有限です。行動はお早めに。

 

まあこんな仕事もあるんだという後学のためにいろいろお話させて頂けたらと思います。

証券会社の新規開拓

証券会社の新規顧客開拓方法として4つ

・飛び込み

・テレコール(電話営業)

・DM

・紹介(既存顧客、縁故)

が新入社員には叩き込まれました。

最後の紹介は元があっての特殊系で、DMもよほど魅力的な条件の商品が出たとき以外は捨てられるのがオチの運ゲーなので基本は飛び込み、テレコールになります。

好みにもよりますが、田舎だと一軒一軒が離れているので電話のが飛び込みより効率がいいという人も結構多かったですね。天気が悪い日はなおさら。

飛び込みなら1時間で10件程度でも電話なら100件近くアプローチできますからね。

「リスト」について

世にいう「お金持ちリスト」みたいなのがあればいいのですが、まがいなりにも大手証券会社は上場企業、そんな個人情報保護法ガン無視の胡散臭い名簿業者から買うわけにもいかないので、基本的に電話帳です。

そう電話帳です。タウンページです。

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iタウンページ運営・電話帳タウンページ発行|NTTタウンページ

IP電話でパソコンから発信できるようになっているので、本当に担当エリアの「あ」行から「わ」行までひたすら電話をかけ続けます。

かけている間にも次のかけるところの番号をセットし入力時間のロスを減らしてひたすらかけ続けます。

漫画「闇金ウシジマくん」では電話機をテープで体に固定し債務者に電話営業を掛けまくっていましたが、ヘッドセットをつけ上司のプレッシャーで机に固定されているので証券会社も光景的には似たようなものです。さすがに耳から膿は垂れませんが涙は垂れました。

 

補足:高額納税者のリストとか昔入手したであろうリストみたいあるにはありましたが、そんなおいしいもの諸先輩がほっておくわけがなく200通りは電話かけられていると思います。クレーム可能性大の地雷リストです。

電話営業あるある

ガチャ切りはありすぎてもはや驚きはないです。平常運転。

 

最近はデジタル式なので「ピッ」と切れますが逆に冷たさを感じますね。

たまにあるのは

「このお電話はお受けできません(機械音声)」

はい着信拒否ですね。誰か先輩がしつこくかけたのでしょう。

「二度とかけてこないでほしい」

「リストから消してほしい」

まあそりゃそうですよね。私でも言いますよ。

こう言われたら一応システムの人に連絡して上がってこないように手配はします。

 

ただ悪い諸先輩は「いちいちそんなことしてたら営業効率が下がる」として言われても平謝りしてその手続きをやっていない人も多く、そんな潜在地雷をほかの人が引いて「かけるなって言ったじゃねぇかぶっ殺すぞ」クレームに発展したりします。

 

証券マンは敵だらけです。前後からも横からも撃たれます。

 

やっぱ証券マンはサイコパスでないとできないというのが私の持論です。

もしくは感覚を意識的にマヒさせることができる特殊能力でもあるのかもしれません。

(たいがいお酒かお金でですが。)

 

余談:大都市の新人教育

東京駅を歩いていると、いかにもな新入社員に

「新人研修で名刺交換していまして、していただけませんか」

と声をかけられて、自分も名刺を集めるのは大変だったからと交換してあげたことがあります。

皆さん経験がある方お分かりですが、これ「投資用マンションの営業」です。

いきなり仕事中に会社の代表電話宛てに営業電話が掛かってきたときはほどほど呆れました。

人の善意に付け込んで営業をかけるとか本当にタチが悪すぎる。

第一印象マイナス以下のスタートで誰がこいつからものを買うんだ。

ほんとお気をつけください。あなたの優しさを狙っています。

法律上で電話勧誘はどういう扱いなのか

金融商品取引法では「不招請勧誘」という概念があります。

(禁止行為)
第三十八条 金融商品取引業者等又はその役員若しくは使用人は、次に掲げる行為をしてはならない。
四 金融商品取引契約(当該金融商品取引契約の内容その他の事情を勘案し、投資者の保護を図ることが特に必要なものとして政令で定めるものに限る。)の締結の勧誘の要請をしていない顧客に対し、訪問し又は電話をかけて、金融商品取引契約の締結の勧誘をする行為

長え。

要は商品をお勧めしてほしいといってもない客に対し、訪問したり、電話をかけて、勧誘をしてはいけませんよという法律です。

世にいう新規開拓を駆逐する素晴らしい条文のようにも見えますが、残念ながら対象金融商品取引契約が限られています。

対象商品

一定の店頭デリバティブ取引のみ

店頭デリバティブとは先物取引とかオプション取引(株を買う権利(コール)、株を売る権利(プット)などの売買)であり、レバレッジ(てこ)を利かせ、元金の何倍もの金額を張れる、要はハイリスクハイリターンの取引です。

相場が良ければ倍にもなるし、悪ければ元金半値。全損もざら。

 

そんな危ねぇもんをいきなり勧誘するなというお達しなのでしょうが、さすがに範囲が限られすぎなのかなと思いますけれどね。

普通の証券会社でこれらの商品をやってる人は稀です。

てか聞いたことない。一般向けでない特殊な商品です。

 

株だろうが債券だろうが、元本割り込む可能性のあるリスク商品だしいきなり初心者かもしれない人に勧誘するのはどうなのかと私は思います。

多分「こんなの全商品を対象にしたら営業なんてできないよ」なんて大手企業が圧力をかけたんじゃないかと推測しています。

海外では

こんな前近代的な営業してんの日本だけやろと思いましたら、海外多くの国ではDo-not-call制度(直訳するなら「電話すんな!」制度)という制度が存在し、申請した人には一律して電話営業が出来ないシステムになっているそうです。

アメリカのDo-not-call制度

電話勧誘を受けたくない消費者は、電話またはウェブサイトを通じて、その電話番号を無料かつ無期限で登録することができます
事業者は、指定のウェブサイトに登録することによってリストにアクセスすることができ、リストを電話勧誘以外の目的に使用することは禁止されています。

この登録は12カ月間有効で原則として有償であり、事業者は、少なくとも31日に1回、自己の電話勧誘対象者リストをこのリストと照合しなければなりません。

事業者が登録をせずに電話勧誘を行った場合には、勧誘をした番号がリストに登録されていないときでも、各違反行為につき最高16,000ドルの民事罰を課せられることがあります。

http://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-201507_05.pdf

めっちゃいいやん。

なぜ日本はやらない。

日本における電話勧誘規制

現行法では、外国為替証拠金取引や商品先物取引など一部の取引を除き、消費者は、
電話による取引の勧誘をあらかじめ拒むことは保障されていない状況にあります。

http://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-201604_07.pdf

私見ですがマイナス金利で苦しいのにこれ以上、顧客を捕まえたらボロく儲けられるリテール営業の手段を奪うなという金融機関への忖度を感じます。

こんなんじゃ「貯蓄から投資」なんていきませんよねー

投資に胡散臭さをもたらす元凶かと。

日本版Do-not-call制度もしくは不招請勧誘の対処商品拡大が待たれます。

まとめ

・営業に優しくしては絶対いけない。

・日本は消費者保護後進国

・学ぶべきは身近な法

 

ではでは