キャッシュレス決済の波 インド人街で思ったこと(QRコード決済、楽天Pay)

インド人街ローカル市場でびっくりしたこと

先日シンガポールでリトルインディアというインド人街に行ってきました

(今日はシンガポールの話ではないです)

その中の一部ティッカ・センター

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ホーカーズというフードセンターがあり、さらに野菜や肉、魚などの食材市場が隣接した作りになっています

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市場の様子

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最後ぶれてすみません

値札やパッケージなんて甘っちょろいものはない

すべて生のままの食材が所狭しと積み上げられている

素手にバカでかい包丁で肉を解体するおっちゃんもたくさん

その包丁骨も切れるんですよね?ということは…

 

まあそんな刺激的な光景を楽しんでいるところにふと目に入った張り紙が

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You are in a cash less food centere.

あなたは今キャッシュレスのフードセンターにいます

なん…だと…?!

こんな生臭い、失礼現地感満点な市場においてもキャッシュレスの波が来ているということに衝撃を受けました

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どうやらQRコード決済という方式で支払いが可能で

現地金融機関の提供するアプリで支払いが可能とのこと

QRコード決済に関しては以前から注目していて、中国を中心として手軽な決済手段として普及していると聞いています

今回日本ではあまり知名度が高いとは言えないQRコード決済についてまとめました

QRコード決済とは

QRコードとは?

見たこともあるし知ってるわという人も多いと思いますが、QRコード、調べてみると意外に(失礼)すごいんです

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※上コードは当HPのリンクです

概要

・1994年に自動車部品大手デンソーの開発部門(現デンソーウェーブ)が開発

・従来の一方向のみの情報ではなく、縦横に情報を持つ二次元コード

・QRはQuick Responseに由来、高速読み取りを念頭に開発

・当初は自動車部品工場や配送センターなどでの使用を想定

・自動車部品業界の「電子かんばん」にQRコードが採用、生産から出荷・伝票作成までの管理の効率化に貢献

・その後製造や販売、各種チケットなど様々な局面で普及

デンソーと言えばトヨタの一次下請けとして有名

トヨタの有名な製造在庫管理システム「かんばん方式」を効率化させることが開発の念頭にあったかもしれませんね

QRコードのここがすごい!

格納できる情報が多い
従来のバーコードが 20桁程度の情報量しか扱うことができなかったのに対し、QRコードは、その数十倍から数百倍の情報量を扱う事ができます。

http://www.qrcode.com/about/

上記の例だと英数字300桁を格納可能とのこと

ビットコインの秘密鍵(残高を管理する重要情報)64文字の英数字で構成されていることを考えたら、それよりも圧倒的に大きな情報量をやり取りできることがわかります

どこから撮って読み取れる

QRコードのあの角の目玉みたいな四角は「切り出しシンボル」といい、これがあることで360度どの方向から撮影してもQRコードと認識でき、情報を読み取れるそう 

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確かに四隅につけたらどっちが上下左右がわからないですもんね

だから3つつけていたのか 

特許を無料開放

これだけ普及してさぞかし儲かってしょうがないかと思いきや、特許権者のデンソーウェーブは、規格化された技術に対し特許権を行使しないと宣言しています。

もったいない…なんでも「(開発当初は)QRコードを読み取れるリーダーを売るのが主な目的で、QRコードでお金を取ろうとは思わなかった」とのこと

https://www.businessinsider.jp/post-162417

でも特許を無料にしなかったら今ほど普及していないでしょうし、他の規格が生まれていたかもしれませんね。オープンイノベーションの走りと言えるかもしれません

話を決済に戻します

どういう仕組み?

アプリをダウンロードして支払いを行いますが、方法が二種類あります

方法1.店側が提示したQRコードを読み取る

スマホのカメラで店側が提示したQRコードを写し、画面に現れたボタンを押す

方法2.自分のQRコードを読み取らせる

利用者側のスマホに表示されるQRコードを店側がレジの装置で読み込む

いずれもQRコードにひも付いた利用者の口座(アカウント)から店の口座へ自動的に送金されるという仕組みです

実際に使ってみた

やり方を読んでみてもいまいち手触り感ないので使ってみました

なんでも楽天Pay楽天IDがあればすぐに使えるらしい

仕事帰りの電車でダウンロードして、コンビニで使ってみました

セットアップ

①アプリダウンロード(App Store/Google Play)

②楽天IDと紐づけ

③クレジットカード番号確認

④利用規約等々承認

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https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2017/0601_03.html

※ほんとは私のスクショを使いたかったのですが、セキュリティの関係なのか「この画面はスクショできません」という表示出ましたので画像は借りものです

おおよそ同じような画面が表示されます

楽天を普段スマホで利用されている方ならカードの紐づけも速攻で完了します

正味3分かからないくらいで準備完了

いざ店舗で使用

ローソンが使えるみたいなのでローソンへ

レジ前を確認

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ほんと今ってめちゃくちゃ支払い手段多いですよね

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よしよしバーコード決済「楽天Pay」対応しているな

さっそく「QRコードで決済できますか?」とお尋ね

日ごろから超不愛想な外国人の店員さんでも解っている模様で、すぐに読み取りハンディ端末で読み取ってくれました

※ローソンで読み取るのはQRコードでなくてその上の普通のバーコードの模様。ちょっと残念だがまあやってることは同じでしょう

1秒程度で読み取りは完了。スマホの画面が切り替わりました。

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ふむ、早い。明朗会計。

しかもポイントが付いたではないか。これはなかなか使える。

お店から出たら今度はメール

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ちゃんと明細も送ってくれるのか。なかなか至れり尽くせり

しかも楽天ポイントからの支払いも選べる為貯まったポイントを活用できる

確信した。これは流行る

そんなことを思いながら新商品サラダチキン「パクチー味」を食べながら帰りました

なぜ今になって広がってきたのか

現在QRコード決済に対応する店舗や楽天やLINEなどQRコード決済サービスを開始する企業が増えてきています。その背景にはやはり中国での爆発的な普及があるようです

左図:代表的な中国のQRコード決済アプリ「ALIPAY」「WECHAT」の決済量

右図:中国のモバイル決済における両社のシェアの推移

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2014年から爆発的に決済量が増加しているのがわかります

左図:支払い手段別の中国の小売り消費量

右図:中国の支払い手段ごとの小売消費におけるシェア

digital-payment-ecosystems-in-china-2017-01

https://www.chinainternetwatch.com/20322/digital-payment-ecosystems-china/

下右図キャッシュ(現金)が水色ですがほんの10年ほどまでは一番の支払い手段でしたが、近年は半分以下になっているのがわかります。ものすごい勢いでキャッシュレスが進展しています

中国でこれほどまでにQRコード決済が普及した理由

ここまで加速度をもって普及したのは消費者および事業者双方にとってメリットがあったからのようです

消費者側からの理由

・スマートフォンが普及したことにより誰でも簡単にコードを生成、読み取りができるようになった

Alipayは中国の通信販売大手アリババの子会社でWeChat Payメッセージサービス(LINEの中国版)の大手ですでに多くの人がアカウントを保有していた為、後は銀行口座や身分証などの追加情報を加えるだけですぐに利用できた

事業者側からの理由

・店舗側からは、後払いではなくリアルタイムの送金システムである点、クレジットカードのような専用端末が必ずしも必要ではなく、屋台のような小規模店舗にまで利用の裾野が広がったこと

初期投資が非常に少ない。店舗側は両サービスのアプリを導入するか、あるいは自分のアカウントに紐付くQRコードを紙に印刷して掲示しておくだけでいい。

要は手軽に決済をしたい消費者と設備にお金をかけたくない事業者の利益が一致した模様です。確かにお互い便利ですからね

インバウンド消費

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http://www.mlit.go.jp/common/001211873.pdf

今や年間2000万人を突破した訪日外国人ですが、そのうちの4人に1人637万人中国人です(2016年)年間1兆4000億円以上のお金を落としてくれるお客様でもあります。金額にしてみるとすごいですね。

大切な大口お客様に快適にお買い物頂くためにも、急ぎ対応しなければならないという訳のようです。ちなみに先ほどのローソンでもちゃんと「Alipay」対応マークがありました。これです↓

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問題はないのか 

盗難リスク

QRコードを利用した決済システム自体に目立った問題はなさそうですが、やはりスマートフォンを使用する以上、スマホの盗難リスクというのはどうしても発生してしまうようです

原始的なすり替えリスク

中国ではお店が提示する支払い用のQRコードにこっそり自分の口座のQRコードを張り付け、売り上げを搾取するという事件も起こっているそうです

https://www.zaikei.co.jp/article/20170727/388042.html

さすが中国

車のミラーなどを奪って「返してほしければQRコード決済で○○元支払え」なんていう新手の恐喝事件も起こっているそう

まあこんなのは現金でも変わらないですが、発展途上の技術の為、リスクには引き続き中止する必要がありそうです

日本で今後普及するのか

ようやく日本の金融機関も重い腰を上げ、決済システムの規格の統一に乗り出してきたとのニュースがありました

www.nikkei.com

何周遅れだよ…という感じですが

日本は「来店客の8割が依然として現金払いを選ぶ」(ローソン執行役員)とい“現金大国”だそうで。諸外国と比べても現金決済比率が高いです

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http://www.soumu.go.jp/main_content/000506129.pdf

冠婚葬祭で現金を送りあうという文化や、全国津々浦々に普及しているATM網、治安がいい事なども理由のようで、まだまだ現金への信頼は厚いようです。 

現金って

私見ですが、現金は確かに使用量が目に見えてわかり安心という面もありますが、決済手段という意味では明らかに時間がかかりすぎます

ここもとデビットカードをよく使用するのですが、レジが非常に速い

大体通勤時間帯のコンビニというのはめちゃくちゃ並んでいるのですが、私はセルフレジでさっさと済ませてしまいます。並んでいる人を横目で見ながら、全国でこのレジ待ちの時間がどれくらい無駄に消費されているんだろうかということを考えると恐ろしい気持ちになります。

とんでもない時間の浪費ですし、諸外国はその間に生産的な仕事に従事しているということを考えたら危機感すら感じます

政府も同様に危機感を感じているらしく、2017年6月にまとめた「未来投資戦略2017」では、27年までにキャッシュレス決済比率を40%まで伸ばす目標を掲げているそうです

やーまだそれでも周回遅れやん(´・ω・)

金融業界の端くれとして、今後QRコードをはじめとしてキャッシュレス決済の便利さが広まってくれることを願っていますし、それをお手伝いできる仕事が出来ないかなーと考えています

まとめ

・日本の決済システムはインド人街より遅れている

・いいアイディアは隠せば腐る

・QRコード支払いは爽快なほど早い

・時には中国人のように貪欲に

・お金の「形」は時代で変化し続ける

・日常に小さな新しさを

 

ではでは