2018年は副業元年?もう既に変わっていた厚生労働省「モデル就業規則」を読み解く

2018年は副業解禁元年なんて言われているようです。

理由は安倍総理の掲げる一億総活躍社会の本命「働き方改革」の一つにそれが盛り込まれているからとされています。

働き方改革と副業解禁の動きについて

政府の働き方改革実現会議の様子

会議では日本の労働状況には様々な課題があるとしています

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長時間労働を自慢するかのような風潮が蔓延・常識化しているという点も弊社においては大いに突っ込んで頂きたいところですが、

今回の注目点は図の下二点

・単線型の日本のキャリアパス

という点に注目しています。確かに経済社会環境も大きく変わっているのにキャリアパスだけは未だに硬直的な面が多いです。少しあげるだけでも

・新卒一括雇用

・閉鎖的な転職市場

・年功序列終身雇用

・厳しい解雇規制

などなど前時代の遺物としか思えない慣行が散見されます

転職をした身としてその堅苦しさは肌で感じています

それを変えようとする取り組みが柔軟な働き方の容認、副業の解禁

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https://www.kantei.go.jp/jp/headline/pdf/20170529/06.pdf

別に私(筆者)は安倍さんの考えに全面的に賛成するわけではないですけど、少なくとも経済政策に関しては企業業績や株価も上昇し、失業率も完全雇用に近くまで回復している現状から考えるに正しいと思いますし、今度の流れも個人的には良い流れだと思っています。だって窮屈じゃないですか。

ではなぜ今まで副業してはいけなかったのか?

私は副業めちゃくちゃしたいです。でも躊躇っています。同じような人も多いはず。

理由は「就業規則で禁止されているから」です。

副業でクビにはなりたくないですもんね。

なぜどこの企業も禁止しているのか?

就業規則の多くはモデル就業規則という厚生労働省が出しているひな形みたいなものがありそれをコピペしているからどこもかしこも禁止の文言があるのだそう。

モデル就業規則について

厚生労働省には以下のような記載があります

 常時10人以上の従業員を使用する使用者は、労働基準法(昭和22年法律第49号)第89条の規定により、就業規則を作成し、所轄の労働基準監督 署長に届け出なければならないとされています。就業規則を変更する場合も同様に、所轄の労働基準監督署長に届け出なければなりません。

 次に掲載しております「モデル就業規則」の規程例や解説を参考に、各事業場の実情に応じた就業規則を作成・届出してください。

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/model/index.html

要は

・ある程度人を雇うならちゃんと就業規則を作りなさい

・一から作るのしんどいだろうからひな形あげるからこれを参考に作って

という感じでしょうか。

そんなに大変なものかよと思いましたら、ぎっしり文字ばっかり89ページありました

確かにこんなの何も参考にせず一から作り上げるの大変。コピペは正義

でも読んでみるとモデル規則+その運用にあたってのポイントみたいな構成になっていて、意外とわかりやすかったです。副業に関しての部分は以下の通り

第14章  副業・兼業

(副業・兼業)

第67条  労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。

2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。

3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。
① 労務提供上の支障がある場合
② 企業秘密が漏洩する場合
③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
④ 競業により、企業の利益を害する場合

もう変わってた

なんでも平成30年1月31日に改定があり、以前は以下のような記述だったらしい。

副業・兼業に係る記載

(遵守事項)

第11条 労働者は、以下の事項を守らなければならない。

⑥ 許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。

第62条 労働者が次のいずれかに該当するときは、情状に応じ、けん責、減給又は出勤停止とする。

第11条、第13条、第14条に違反したとき。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000179562.pdf

私の会社の就業規則はこちらのほうに記載が似ています。コピペ疑惑大。 

ともかくおおもとのモデル規則にはっきりと他の会社の業務に従事することが出来ると書かれているのは心強いですね。

他にもモデル規則には個別の会社に適用させるための解説みたいなものがついていて、以下の通りです。

【第67条  副業・兼業】

 1 本条は、副業・兼業に関するモデル規定であり、就業規則の内容は事業場の実態に合ったものとしなければならないことから、副業・兼業の導入の際には、労使間で十分検討するようにしてください。 

 2 労働者の副業・兼業について、裁判例では、労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは基本的には労働者の自由であることが示されていることから、第1項において、労働者が副業・兼業できることを明示しています。

 3 労働者の副業・兼業を認める場合、労務提供上の支障や企業秘密の漏洩がないか、長時間労働を招くものとなっていないか等を確認するため、第2項において、届出を行うことを規定しています。特に、労働者が自社、副業・兼業先の両方で雇用されている場合には、労基法第38条等を踏まえ、労働者の副業・兼業の内容を把握するため、副業・兼業の内容を届出させることがより望ましいです。

(参考)

労基法 第38条 労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。(昭和23年5月14日 基発第769号)

「事業場を異にする場合」とは事業主を異にする場合をも含む。

 4 裁判例では、労働者の副業・兼業について各企業の制限が許される場合は、第3項各号で規定したような場合であることが示されていると考えられます。

 要約すると

・モデル変えたからといって絶対従う必要はなく、会社内で話し合って決めてね

・労働時間外の時間は労働者の自由

・だからといってなんでもできると危ないから管理できるよう届け出させましょう

・以下の理由以外では就業時間外の副業は制限できない

① 労務提供上の支障がある場合
② 企業秘密が漏洩する場合
③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
④ 競業により、企業の利益を害する場合

というところでしょうか。特に二番目の・労働時間外の時間は労働者の自由というのは画期的ですね。というかよくよく考えれば当たり前なんですけどその当たり前が今まで建前として制限されてきたのを正したのは偉い。

 

残念なのはモデル就業規則には強制力がないというところ。

事実これを受けてすぐに就業規則を変えて企業は多くないそう。

しかしながら就業規則など社内規定は事業年度が替わる4月に改定されることが多いそうなのでこれから就業規則改定(副業解禁)に動く企業が増えると予想します。

まとめ

・厚生労働省的には副業はもう解禁していた

・4月前の今月来月当たり副業解禁の動きが増えると予想

・そもそもプライベート時間を社内規則で縛るな

・最近の丸の内の就活女子を見るにつけ働き方改革は不可避

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もうねなんかかわいそう。自分もそうだったんだけど。 

 

ではでは